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稲本さんの完全無農薬タニシ米


  稲本さんの完全無農薬タニシ米

龍峯山の麓 八代市川田町西で生まれ

八代高校卒業後、県果樹園芸講習所で2年間農業(主にみかんつくり)を学ぶ
S49年に実家の農業を継ぎ、今年で36年目
当時 米、いぐさ、みかんの複合経営だった。

現在、自然農法栽培米(うるち米、酒米、黒米、赤米)

と鉢花(ミニバラ、カーネーションなど)

▼所属

環境保全型農業技術研究会 幹事:支部長
農業のあしたを語り明かす会「青年小屋」 世話人
くまもと有機農業推進ネットワーク 幹事
東海大学九州・農学部・モニター農家 代表幹事

▼自然農法栽培米

化学肥料・農薬・除草剤の完全未使用

水田への投入は、稲わら&少量のぼかし肥料

ジャンボタニシ(稲守貝)の有効活用による除草

約20年前に南米から輸入され食用として養殖されたが、一年でほとんどの業者が放棄した。(寄生虫がいたり、おいしくないなど)
繁殖力が強いため、西日本各地の水田へあっという間に広がった。
当時、それまで雑草除草対策で大変苦労していた田んぼで、突然その年に草が植わっていなかったので、なんでだろうと思って、よく観察すると、ジャンボタニシが大中小と、もう田んぼに入り込んでいたのである。(近くに養殖していたところがあったらしい)
近くの友人の自然農法の水田でも全く同じ状態だったので、その友人と二人で、「こらやっぱり、ジャンボタニシが食いよっとばい。これから除草に使えるかもしれん。」とかわした言葉を今でも覚えている。

それくらい除草作業はきつかったのだ!!

それを境に、ジャンボタニシがいるところでは、自然農法にとって救世主となったのである。他の除草方法にはアイガモ、鯉が有名である。

無農薬(栽培)という言葉はよく使われるが、農薬だけが一番悪いと思われている。

しかし、本当は化学肥料や未熟堆肥類を沢山使って作るので農薬がいるのです。

土がだんだん良くなってくると、農薬を使わなくてもきれいな農産物ができるようになるのです。

そしてその作物を

土で作るか 肥料で作るか

(生きている様々な微生物がいる)(化学肥料・未熟有機多肥料・生物のいない死んだ土)の違いで作物の質・組成が全く違ってくるのである。
農薬は後からぶっかける物である。中には浸透性があったり、根からも吸収するものもあるだろうが本質は土か肥料かである。だから無肥料栽培 自然栽培 有機栽培というような言葉が良いのではないかと思っている

このような違いがたぶん

腐りにくいか腐れるか

良い臭いか悪い臭いか

の差になっていると思われる。その違う食べ物を
毎日・・・365日・・・5年・・・10年・・・30年・・・50年・・・
食べ続けることの違いは何になって表れるのだろうと考える。
たぶん、人間の体を組織する血液・細胞・ひいては遺伝子まで変わってくるのではないだろうか。

それが

・健康 不健康=人体

・環境保全 破壊=地球・自然界

につながると。

大和タニシの復活

昔の日本の水田や川などにはどこにもいて、佃煮などの食用としてもおいしく食べられていたが、農薬、除草剤が使われるようになって、いつの間にか、水田や川でも見なくなってしまった。

しかし自然農法の田んぼには、ジャンボタニシのように水田全面にははいずり回らないが、周囲に掘った溝には大和タニシをはじめ、オタマジャクシ、カエル、シジミ、めだか、ふなっ子等など、その他のヤゴ、ミミズなど水生小動物も様々、又微生物類も天文学的数で復活している。この自然農法の田んぼを通って出ていく水はきれいになって川や海に出ていく

田植え直後の苗が小さくて柔らかい時に田んぼに水を張ると、ジャンボタニシに食害されてしまうので、

田植え後3週間前後、タニシが這い回れる程度のヒタヒタの水管理をする

そうすると稲は食われず、雑草が発芽したての小さい草だけを食べてくれて、草が植わらない。

稲も少しは食われるが、除草にかかる大変な労力と、除草剤の経費面、安全面から考えると、相当な除草効果である。

環境保全型農業技術研究会では、約10年位前から、有機米の販路拡大も考え価格の高い酒米を、 ほとんどない有機栽培で作り「一番贅沢な有機栽培の酒米100%の酒を自分達自身で飲めたら最高ではないか」 ということで酒米つくり・酒つくりが始まった。

私自身も酒米「山田錦」を自然農法で作って、今年で4年目。酒は今年で3年目の物ができている。

2年目からは千丁町の園田崇博君と一緒に作っている。

化学肥料・農薬・除草剤を全く使わない、八代産山田錦を55%精米した。

純米吟醸酒「崇薫」辛口

(熊本市川尻 瑞鷹酒造)

最高においしい。飲めない人も飲める。

特に女性に人気がある。絶対悪酔いしない。


最高の酒で酒蔵の復活と、地域の最高の潤滑油になればいいと思っている。

若い時に少し作った経験のある自然農法の野菜のおいしさは忘れられず、野菜作りや雑穀類にも挑戦して、米と野菜で自然農法だけの農業に早くしたい。できればレンタル農園なども考えて、家庭菜園つくりに自然農法を教えていきたい。

将来にわたって
≪土≫をいただく米つくり、野菜つくりを
楽しんでいきたいと思う